【広告運用】クリック単価3円、ROAS数百倍の広告に、なぜ手を加えなかったか

【広告運用】クリック単価3円、ROAS数百倍の広告に、なぜ手を加えなかったか

業種: 家電(相乗り出品) / 期間: 2026年7月〜8月

背景

このアカウントは、メーカー商品を相乗り出品しています。オートターゲティングのスポンサープロダクト広告を1本、最低水準の入札で配信していました。31日間の実績は、クリック単価3円、ROAS数百倍、クリック率1.50%です。

クライアントからは「入札を上げればもっと売れるのではないか」という問いがありました。

分析したこと

クリック5回以上の検索語を、クリック単価の帯で分けて集計しました。

2円未満の帯、2〜3円の帯、3〜5円の帯の順に、ROASは約5対1.5対1、客単価は約3対1.5対1の比率で下がっていきました。クリック単価が上がるほど、ROASと客単価が下がっていました。

転換率は全帯で5〜6%とほぼ横ばいです。つまり帯ごとの差は「売れやすさ」ではなく「商品単価の構成」によるものでした。高単価の家電ほど広告の競争が少なく、安く獲得できています。

結論

入札を上げて新たに獲得できるのは、競争が起きている低単価帯と、他社メーカーの指名検索です。それは現在の良好な構成を意図的に薄めることになります。検索結果上部のインプレッションシェアは5%未満ですが、残る枠は3円では落札できていない領域で、取りに行くには数倍の単価が要ります。

設定は変えないことにしました。日次予算も入札額もキャンペーン構造も据え置きです。

この効率が成立している条件

3つの条件が揃っているから成立しています。入札が最低水準でクリック単価が3円に収まっていること。相乗り出品のため、カートを獲得しているときだけ広告が配信され、無駄打ちが構造的に発生しにくいこと。高単価商材で、すでに需要が確立した検索を刈り取れていること。

いずれかを崩す変更は、効率の低下に直結します。

代わりにやったこと

月次で4つの指標を見る基準を決めました。ROASの下限、クリック単価の上限、客単価の下限、転換率の下限です。いずれかが継続的に外れたときだけ原因を調べます。

売上拡大の方針を取る場合に備えて、損益分岐のクリック単価も試算しました。拡大するなら、クリック単価の絶対値ではなく限界ROAS(増やした費用に対して増えた売上)で判断し、どこまでの効率低下を許容するかを事前に合意してから着手する形です。

学び

うまくいっている広告を「もっと伸ばせるはず」と触ると、構成が崩れます。触らない判断にも、触る判断と同じだけの分析が要ります。

この施策は、Amazon運用代行サービスの一環として実行したものです。サービス内容と料金はこちらで公開しています。

この記事を書いた人

Bluegoose