Amazonの人気を支えるしくみ – Amazon出店の王道より

Amazon出店の王道

本シリーズでは書籍「Amazon出店の王道」より、お役立ち情報をピックアップしてお届けいたします。より詳細な内容をご覧になりたい方はぜひ書籍のほうもご覧ください。

なぜAmazonにユーザーが集まるのか

Amazonの人気を支えているのはユーザーの購買体験の良質さです。購買体験とは、いかにストレスなく買い物ができるかということで、Amazonは購買体験を向上させるために最も重要なポイントを「利便性・品揃え・低価格」の3つの柱として掲げています。

利便性

Amazonは自社のECサイトを運営している立場ですので、そのプラットフォームがユーザーにとって使いやすくなるよう改善していくことができます。Webサイトのインターフェースはもちろん、各種サービスや大きなセールなどのイベント施策などです。さらに、物流・配送やカスタマーサービスなどの質も向上させることでユーザーの利便性をよりよくすることに取り組んでいます。

品揃え

現在では多数の事業者が出品しているAmazonも、もともとはAmazon自身が仕入れて販売をする独立型のECサイトでした。しかし、2002年から第三者が商品を販売できるセラービジネス(マーケットプレイス)を開始しました。つまり、プラットフォームを自分一人で使うのではなく、第三者へも広く貸し出すようにしたのです。多くの事業者にプラットフォームを使ってもらうことによって、商品の品揃えは格段に多くなりました。Amazon自身でも品揃え拡充のために商品取り扱い数を増やす取り組みを進めていますが、一方で自社では取り扱いにくい商品を第三者である出品者に補ってもらうことができるようになったのです。

低価格

Amazonはシングルディテールページという商品ページの構造を採用しています。通常の出品型のECサイトでは出品者ごとに商品ページを作成するため、同じ1つの商品でもそれを販売する出品者ごとに商品ページが作られます。しかし、Amazonは1つの商品に対し、原則1つの商品ページしか存在させないようにしています。
商品ページを1つに制限すると、自ずと販売価格の競争が生まれます。出品者は自由に商品を販売することができますが、同じ商品を他の出品者が販売していたら、より安く販売している出品者の商品が売れやすい構造になっているからです。なお、この構造はAmazon自身にも適用されているため、Amazonだけが高い価格で自社に有利なように販売することはできません(多少Amazonが優遇される仕組みはあります)。

Amazon最大の特徴 シングルディテールページ

Amazonでは、他のECサイトにはない独特の商品ページシステムを採用しており、その名称をシングルディテールページといいます。通常の出品型のECサイトでは、出品する店舗ごとに自由に商品ページを作成することができます。そのため、Aという商品をB社、C社、D社がそれぞれ異なる商品ページで販売することになります。これをユーザー視点で見た場合、Aという商品を探すために「A」と検索したら、B社のA、C社のA、D社のAが検索結果ページに並ぶことになります。ユーザーはなるべく安く、信頼のあるお店から買いたいと考えることが多いので、それぞれのページを見て比較検討することになります。この例のように3社くらいならまだすべてのページを見て比較することができますが、もし10社、20社と販売店が多くなればなるほど煩わしくなってしまいます。
そこでAmazonでは店舗基準ではなく、商品基準で商品ページを存在させるようにしたのです。そのことにより、Amazonは出品型のECサイトでもありながら、ユーザーはシンプルに欲しい商品を探せるようになっているのです。

試しに楽天とAmazonで「あつまれどうぶつの森」で検索してみたところ、次のような検索結果となりました。ゲームソフトとしての「あつまれどうぶつの森」を探している場合であれば、探しやすさは言わずもがなといったところです。

楽天で「あつまれどうぶつの森」で検索したページ
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Amazonで「あつまれどうぶつの森」で検索したページ
Amazonで「あつまれどうぶつの森」で検索したページ

また、販売価格や信頼度など、ユーザーが商品購入の判断をするために重要な要素で出品者同士を競争させ、もっともいい条件で販売できる出品者の商品が優先的に商品ページの主導権を握れるようにすることで、ユーザーはいつも魅力的な条件で商品を購入できるようになっています。

続きをご覧になりたい方は、ぜひ書籍「Amazon出店の王道」をご覧ください。