こんにちは。ブルーグース合同会社代表の及川謙一です。
Amazonに関する興味深い記事を見つけたので、そのことについて少しお伝えできればと思います。
→ Amazon 広告の「スペシャリスト」、ブランド内で需要拡大
海外記事の翻訳なので、日本のことについて書かれているわけではありませんが、Amazonと取引する企業が置かれている状況としては、海外も日本もそれほど大きな違いはないのではないでしょうか。
実際、弊社にAmazon関連のご相談をいただく場合、多くは似たような傾向のご相談内容で、大きく下記の3つとなります。
- 売れる商品ページの作り方を知りたい
- 自社で作業できる人員がいない
- 広告をうまく活用したい
今回の記事は広告についての記事でしたので、Amazonの広告(Amazon Advertising)について書いてみたいと思います(先日AMSからAmazon Advertisingに名称変更しましたね)。
まず、Amazonの広告の種類として「スポンサープロダクト広告」と「スポンサーブランド広告(旧称ヘッドライン検索広告)」、そしてVendor Centralの場合は「商品ディスプレイ広告」もデフォルトで使用できるかと思います。
広告の活用方法については、Amazonでも広告活用に関するレクチャーや資料の配布などを積極的に行っているようですので、それらをご覧になられた方もいるかもしれません。
広告をうまく活用するという点においては、それら資料などをしっかり見て自社商品に応用できれば問題ないかと思います。
しかし、Amazonで商品を販売するうえで、広告以前にもっと重要な要素があることをご存知でしょうか。
それは、価格、在庫、カタログの3つです。こう書くと当たり前のことのように思えますが、「Amazonの広告がどうやら効果があるらしい」という話を聞くと、なぜかみなさん忘れてしまいがちのようです。
つまり、広告だけを一生懸命がんばって運用しようとしても、お客様が納得するような価格(これについてはまた別に書きたいと思います)で販売していなければ、在庫がなければ、どのような商品か判断できる情報が掲載されていなければ、せっかく広告でお金をかけてお客様に商品ページまで来てもらっても離脱してしまうでしょう。
スポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告、商品ディスプレイ広告の3つの場合、広告としての役割はそれ単体で売上を上げるのではなく、お客様を自社の商品ページに連れてくるためのツールとして捉えるべきです(バナータイプの広告もあり、そちらは多少タイプが異なりますが本質は同じです)。
お客様は、常に「この商品は自分が購入するにふさわしいか」を考えながら買い物をしています。自分にふさわしい商品だと判断し、購入の決断をするには何が必要かを考えれば、販売する側は何をすべきかが見えてくるのではないでしょうか。
私がAmazonに勤務していたとき、Vendorの皆さんに売上増加のポイントについてお話しさせていただく機会が何度かありましたが、その際によく「この中で実際にAmazonや他のECサイトで商品を購入したことがある人はいますか?」という質問をしていました。
入社して間もないころその比率は、(商品カテゴリーによってその割合が異なるのも興味深かったですが)概ね半分以下程度、そこから毎年徐々に購入経験者の割合は増えていったのですが、購入経験者に追加で「どのように商品を購入する判断をしますか」という質問をすると、大抵は説明文を読む、同じような商品と比較する、レビューを読むなどの答えが返ってきます。
では、いま皆さんが販売されている商品のページをご覧になったときに、その商品を購入したいと思えるような情報が掲載されていますか?という質問に対しては皆さんなかなか難しい顔をされていました。
もちろんシーズンものなどで、短期間しか販売しない商品に対してカタログ整備に多大なリソースを割くことは難しいかもしれません。
しかし、通年販売するようなものや、ロングセラー商品などは、もう少し商品ページの充実化に力を入れてもいいのではないかと感じています。
Amazonだけに限らず、ECで物を販売するということは、お客様に寄り添う気持ちが重要です。そこにはただ商品を販売するという行為だけではなく、信頼や信用といった目に見えない部分が非常に重要で、広告の表示方法や内容、商品画像のクオリティ、商品説明の内容や伝え方などなど、そういったところで表現していくしかありません。
ですので冒頭に記載した「売れる商品ページ」というのは売り手側のことしか考えていないようであまり表現の仕方が良くないかもしれません。
私的には、「お客様に適切な判断をしてもらえる商品ページ」という方がしっくりきます。
若干話がそれてしまいましたが、広告を活用したいならまずは商品ページを見直してみましょう、というお話しでした。
ECで買い物をするすべてのユーザーが、届いた商品に100%満足できる社会になることを祈ります。