【広告運用】夏物に先行して広告を入れたら、TACoSが6.7%から11.9%に上がった。是正までの記録

業種: ファッション用品 / 期間: 2026年6月〜7月

この事例の要点

課題 夏物の広告費を60%増やしたところ総売上は約8%減り、TACoS(総売上に対する広告費の比率)は6.7%から11.9%に上がりました。

施策 損益分岐ACoSを基準に全カテゴリの入札を引き締め、超過の大きいカテゴリは入札を20%下げて停止期限を設けました。

結果 効果の出方が遅いキャンペーンは継続して7月に注文が入り、画像とA+コンテンツを刷新した商品はACoSが528%から105%まで戻りました。

背景

7月から8月の需要ピークに向けて、6月から夏物5カテゴリの広告を強化する計画を立てました。先に検索順位と認知を取っておき、ピークで刈り取る狙いです。

起きたこと

広告費は週6.2万円から9.9万円へ、計画どおり60%増えました。ところが総売上は約8%減り、TACoSは6.7%から6月末週には11.9%まで上がりました。広告費の増加が、同じ週の売上増に結びついていなかったことになります。

カテゴリ別に見ると、暫定の損益分岐ACoS 15%に対し、最も近いカテゴリでも21%、超過の大きいカテゴリでは67〜72%と3〜5倍の超過が続いていました。ある商品は1週間だけACoSが528%に達しています。

なぜ投資猶予を適用しなかったか

新商品を立ち上げるときは、認知が積み上がるまで高いACoSを許容する期間を設けます。ただし今回の夏物は、1カテゴリを除いて前年から販売実績のある既存商品でした。既存商品に投資猶予を適用すると、赤字の広告を「先行投資」と呼び続けることになります。単発の広告として損益分岐に近い水準で採算を取る原則を守り、早急に是正する判断をしました。

やったこと

損益分岐ACoSに向けて全カテゴリの入札を引き締めました。超過の大きいカテゴリは入札を20%下げ、翌々週までに改善しなければ停止する期限を切っています。夏物以外のカテゴリも計画線まで圧縮しました。

TACoSは一気に戻さず、7月は8%台、8月に6%台へ戻す段階回帰の方針にしています。

続けた判断が正しかったもの

6月に注文がゼロだったキャンペーンが2本ありました。停止候補でしたが、判定を急がず継続したところ、7月第1週にそれぞれ1件と2件の注文が入っています。効果の出方が遅いキャンペーンを早く止めなかったことは、結果的に正しい判断でした。

同じ時期に画像とA+コンテンツを全面刷新した商品は、ACoSが528%から105%まで戻っています。損益分岐にはまだ遠い数字ですが、ページの刷新が転換率に効くことは確認できました。

学び

「先行投資」という言葉は、既存商品の赤字を正当化するために使われやすい言葉です。投資猶予を適用する条件を事前に決めておかないと、判断が甘くなります。逆に、効果の出方が遅いキャンペーンを早期に止めるのも損失で、週次で見ながら期限を切って判断する形が必要です。

留保

損益分岐ACoSは暫定値で、商品別の粗利率にもとづく正式な値は月次定例で確定しています。

この記事を書いた人

Bluegoose